LEONIDAS/
レオニダス──薔薇の名前
自分よりも遥かに大きな敵に挑み、 勝利ではなく、誇りを選んだ勇者の名前
02
Story
親友の死をきっかけに、音楽の夢から距離をおいた在日韓国人のヒロ。家庭に居場所を見いだせず、孤独を抱えて生きるアオイ。互いの孤独に触れ、国境のない「芸術」を通して、少しずつ心を通わせていく二人。
だが世界は、容赦なく二人の間にも見えない境界線を引き、分け隔てる。
抗えない現実を変えることは難しい。それでも、自分と向き合い、もがき、前に進もうとする姿は、人生の中で、ひどく美しく、そして誇りとなる瞬間なのではないだろうか。これは生まれ持ったアイデンティティと孤独を抱えながら、それでも真摯に未来を見つめようと葛藤する。令和を生きる若者たちの、儚くも美しい物語である。
Synopsis
かつて、人気バンドのギタリストとして仲間と共に夢を追っていた在日韓国人のヒロ(門間航)。しかし、親友でありバンドの核だったギターボーカル・ソウマの突然の事故死を境に音楽から離れ、ダイナーの店員として空虚な日々を送っていた。
ある日、ヒロはSNSでのメッセージをきっかけに、デジタルアーティストのアオイ(永田凜)と出会う。母の再婚をきっかけに名家の令嬢となったアオイは、新しい家庭や義父との関係がうまくいかず、次第に深い孤独を抱えていく。
ヒロはアオイに連れられ、絵の題材にしているチャルカ(糸紡ぎ)工房へ訪れる。そこで彼女が口にした「芸術に国境はない」という言葉。それは生前、ソウマが語っていた「音楽に国境はない」という祈りにも似た信念と共鳴し、ヒロの凍てついた心を溶かしていく。
少しずつ心を通わせていくなかで、「レオニダスの華に囲まれて、凍死すること」が夢だと語るアオイ。彼女の切実な痛みに触れ、自分自身を取り戻すように、ヒロは再び音楽を紡ぎ始める。
ヒロが書き上げた楽曲は動画サイトでヒットを記録し、ニューヨークでの再出発という千載一遇のチャンスが巡ってくる。二人は共に海を渡る決意を固めるが、平穏な時間はアオイの家族が放った一言によって打ち砕かれる。
立ちはだかるのは、個人の力ではどうにもできない「国籍」という壁。愛する人の未来か、それとも二人でイバラの道か。渡米直前、葛藤の果てにヒロが出した答えとは──
